自動車保険の基礎が分かったところで、最低限必要な補償とは何かをについて考えてみましょう。
最初にも書いた通り、保険料を安く上げてしまったために、いざ事故が起きて保険を使おうと思ったら、対象外だったなんていうことは避けなければいけません。それこそ、保険料をドブに捨ててしまったのと同じことです。欠かすことの出来ない保険はきちんと加入した上で、安くする手段を考えるというのが常套手段なのです。 では、欠かすことの出来ない保険とは何か? ということが問題になってきます。
そのことを考えるに当たって、自動車保険では何を補償するべきなのかを改めて考えましょう。
自賠責保険は被害者救済のための保険であると、先に書きました。では自動車保険(任意保険)は何のための保険なのでしょうか? 自動車保険はカバーするものは大きく2つに分けることが出来ます。被害者である他人への補償。加害者もしくは被害者である自分への補償。この2つです。
まずは、被害者である他人への補償について見てみます。
対人賠償責任保険、対物賠償責任保険がこれに当たります。この2つの保険に関しては、保険金額の上限が無制限という設定があります。それはなぜでしょうか?
昨今、高額賠償の判決が出ている事例が多数あります。特に、交通事故によって重度の後遺障害を負った場合は、3億円を超える判決が出たものもあります。当然のことですが、上限が3000万円(常時介護が必要な場合は4000万円)と決まっている自賠責保険では支払えません。不足分をカバーする対人賠償責任保険がなければムリでしょう。そして、その保険金額についても上限を設定した場合は支払えないということになりかねません。そのために無制限という設定があるのです。
対物賠償責任保険ですが、こちらは物に対する補償ですので、自賠責保険では補償されません。よって、全額を負担しなければいけません。ある時期まで、対物賠償責任保険は上限が決まっていました。最高でも1000万円、2000万円というものでした。しかし、無制限という商品が発売されたのです。そこには当然理由があります。物損事故の賠償金額も高額化しているということなのです。こんな例があります。平成6年7月に神戸地裁で出された判決です。
衝突し横転したトラックが炎上。積荷だった高額な呉服や毛皮だったため、その損害総額が2億6135万円となったのです。ほかにも1億円を超えるケースがいくつか出てきています。そのため、対物賠償責任保険も無制限という商品が必要となっているのです。
できることなら、対人賠償責任保険と対物賠償責任保険に関しては、無制限に加入しておきたいところです。
何と言っても、他人の人生までを変えてしまう危険性のある自動車事故です。この点をきちんと踏まえた上で考えましょう。
次に検討するのは、加害者もしくは被害者である自分に対する補償についてです。これらはほとんどの保険に上限が設定されています。もっとも押さえておきたいのは被保険者自身の身体、同乗者の身体への補償でしょう。これをカバーするのが人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車障害保険の4つです。それぞれに補償内容、補償範囲が変わるので、自身が必要とするものが何を考えてみるといいでしょう。これらは先ほど言った通り、基本的に自分の身を守るものです。これは、保険加入を考えている本人次第です。補償範囲を制限したり、補償金額を減らせば当然保険料は安くなります。しっかりとした補償内容にしようとすれば、当然のこと保険料は高くなります。
最後に検討するのが車両保険です。これは、新車なのか中古車なのか、実勢価格がどの程度のものなのかなどで、考え方が変わってきます。新車だったぜひ入っておきたいですし、安く買った中古車ならば高い保険料を支払う必要もないかもしれません。